ラーメン店が新札対応券売機をタダ同然で手に入れた話

柳田です。最近は寒いですね。
あと、一ヶ月で彼岸なので、寒さも落ち着いてくるでしょう。
私は寒がりなので、冬は非常に厳しい気温に感じるのですが、
ラーメン店にとっては稼げる時期です。

クライアントにラーメン店の方がおられます。
ほぼ一人でやっている店なので、食券販売機がないと
オペレーションが本当に大変になります。
(飲食店の方ならご理解いただけると思います。)

2024年7月の新札導入に伴い、
食券販売機の導入を考えられてました。

当初、補助金の申請を考えておられましたが、
補助金は最初に食券販売機を購入する現金が必要です。
食券販売機を購入後にお金が戻って来る仕組みだからです。
当時の券売機の見積り金額は約200万円。

ほぼ一人でやっているお店なので、
券売機がないと大変です。
しかし、この200万円を最初に払ったら、
とても運営が立ち行かない。

しかし、いくら補助金が出るからと言って
借金をしても負債が増えるばかりです。
そんなわけで、券売機の導入を見送るように
クライアントには伝えたのでした。

しばらくは旧札対応の券売機で
頑張ってもらうってわけです。
全てが新札になる訳ではありませんし。
(25年2月現在私の財布の中のお札の3割は旧札です。)

ニュースにもなりましたが、券売機導入の負担を
考えて閉店される事業主の方も相当数おられたようです。
国はそんな事業者のことは考えてはくれません。

また、新しい機械の金額は、発売当初が最も販売金額が高いです。
しかも、券売機の業者も法律改正時の稼ぎ時です。
値段は下げなくても売れる時期ですしね。

クライアントは、多少の不便がありつつ、
旧札対応の機械を使い続けていました。
急に全てのお札が新札に変わるわけではないです。

年が明けて、25年1月のある日・・。
店を訪問して、ラーメンを注文しようと食券を買おうとすると、
なんと!新札対応の機械が設置されているではないですか!


驚いた私は、クライアントに
この新しい券売機はどうしたのか?と訪ねました。
クライアントいわく、食券機の業者の担当者の方が
タダで持ってきてくれたのだとか・・・。
スゴイですね。
(その後にちゃんとお礼はされたそうです。)

このクライアントは非常に丁寧な方で、
出入りの業者さんにも傲慢な態度を取りません。
細かい約束の時間も守る。
連絡しても後ほど必ず折り返しがある。
そんな方なので、お付き合いしていて安心感があります。

推測ですが、券売機の営業マンが、
新札対応の券売機を導入したものの閉店したラーメン店の
引き上げた機械をこちらに回してくれたのだと私は考えています。

一度は商談を断られた営業マンと
関係性を構築していることは凄いことですよね。

ちなみに2025年2月現在、券売機の値段を調べると、
今現在は200万もする券売機の方が稀です。
導入を見送って正解でした。


改めて考えさせられたのは、4つのことです。

・自分の現状を把握すること。(現在の状況で、券売機導入はリスク)
・業界の先を見据えること。(券売機が値崩れする可能性がある。)
・人格と人との関係性が資産になった。(商談を断られた営業マンとの関係性が資産になった)
・断る勇気を持つことも大事。(券売機の導入はリスクと判断。営業マンに失礼なく断りをいれる。)
・周りの状況に左右されない。(業界の券売機導入の流れに惑わされない。)

先のことは誰にも分かりません。
似たようなことが別の業界で起こるかもしれません。
参考事例として書きとめておきたいと思います。